行くのは今です 亀岡へ マンションは半壊のイエローカードとなりました。緊急補修工事が始まりました。トイレの便座でオシリを暖めながら愛用のラジオを聞いていました。なれ親しんだ神戸の街が全滅です。泣いたらあかんと言い聞かせながらも涙が出ます。これからの神戸は、不死鳥のように甦り、私の全く知らない街になるのです。こんな時だからこそ盲導犬が必要です。「よし 亀岡へ行くぞ」ときっぱり決意して、排水タンクのレバーを勢いよくカラン パコン、「あれれ 断水だったっけ」。 午前五時。三浦さんが迎えに来てくれました。タクシードライバーで鉄道友の会ですから交通大混乱の今、鬼に金棒です。手引きボランティアをお願いしました。荷物は、ほんの少しリュックにつめただけ。カメラもボールもアコーディオンも遊び道具は、みんな置いて行くことにしました。車で三田の手前まで。そこからJRで京都亀岡まで四時間の旅でした。電車に乗った瞬間、新聞のインクがすりたてです。車内で新聞を読むゆとりがあるのだから、何とかなりそうだと思いました。 JR亀岡駅で、三浦さんから下重所長と青木さんにバトンタッチ。こうして私は、盲導犬共同訓練を受けることが出来ました。三浦さんのビルも四階から上が傾く被害、それにもかかわらず、手引きボランティアを快く引き受けていただき感謝します。 「三浦さん ありがとう」。