まゆみちゃん 来年もまた会おうね。 1997(H9)/1/18  サポーターの市原さんと地下鉄三ノ宮駅で待ち合わせました。ポートアイランドのワールド記念ホールで開かれる、神戸コープの福祉バザー展に出席するのです。途中、市原さんに歩行ルートのオリエンテーションを受けます。盲導犬用のポイントを知って、メンタルマップを作るのです。盲導犬使用者は、ポイントを確認しながら盲導犬に命令しつつ歩きます。「少し下り坂になっていますね。ここが、曲がり角。ほら、モネちゃんが見ましたよ。風が吹いて、ガラーンとした感じ。広場に出ました。」市原さんのアドバイスは的確です。  会場では、職員の吉川さんがグッズ販売の準備中で、「盲導犬質問コーナーは、こちらです。」モネは、マットにゴロリ。ねむそうです。「島田さん、車椅子のお嬢ちゃんが、モネに会いたいそうですよ。」モネを触ってもらおうとしますが、どうもうまくいきません。しかたなくもとの席に戻りました。それからしばらくして、「先ほどのお嬢ちゃんが、今度は移動ベッドで来られましたよ。」ピッピッという音も気になります。ベッドは、床から30センチほどに固定されてありました。どうやら全身マヒで、手首から先がかろうじて動くようです。話すことは出来ません。耳も聞こえない感じです。手首の装置で交信しているのです。「モネの年齢は?」私は指を4本立てました。ピッピッピッピッと4回。「なるほど、では私は44才。こりゃ大変だぞ。」すると、ピーッと長い音が4回。ついで短く4回。「すごいぞ、参りました。」モネのフリフリしっぽ、大きな背中、そしてモネのたれ耳に触れた時、「暖かーい。」と伝えてきました。思わず胸が熱くなりました。「まゆみちゃん、来年もまた会おうね。」