剣道は これまで 今は少林寺拳法に熱中している私ですが感覚訓練として剣道の稽古をしていました。剣道は白杖歩行だと考えたからです。五葉剣道会で基本から始めて五年、日本剣道連盟1級、これは日本初とのことでした。 稽古に行く時は道衣に袴、胴に垂れもつけ道袋に面と小手を入れ、竹刀で左の肩にかつぎ右手で白杖をついて歩きます。道袋に全部入れてしまうと、重くて体が傾きまっすぐに歩けません。ところが雨天の日は、肩口の竹刀を持つ左手に雨傘をひっかけますから、もう大変な有様で、たいていの人は寄りつけません。ある日、七段の先生と稽古をしていました。竹刀で相手の竹刀の先をさぐると、瞬間、方向、間合い、そして相手の打ち気を判断して打ち込みます。当たるはずのないのは計算済み、体当たりからの引き面、やっと肩口をかすります。勝負はここから最後の一本と思ったその時、「待て」と声がかかります。待てるはずがありません。ここにいるぞとばかりのタイミング。 「えーい」ポーン正面一本。もう一本と打ち間を探していると、「島田待て」。これは変だ「眼鏡がずれてな」。私の体当たりでスポーツ眼鏡がずれたのです。人生あきらめたらあかんとつくづく思わされました。 そんな剣道も、鍼灸院の都合でやめてもう何年たったでしょうか。昇段試験用に買っておいた木刀を今私は振っています。今度からは盲導犬と歩くのだから白杖を捨てる決意です。私にとって白杖は剣ですからあらためて剣の思いを断ち切る必要があるのです。久しぶりの面振りで腕がおもだるくなってきましたが、まだまだ、息が上がってきましたがまだまだです、胸がしびれてきました。まだまだこれしき、そんなに簡単に吹っ切れるものじゃありませんぞ。もう一振り、しまった。カラーンカラーン木刀が床に落ちました。もう手がでません。「よーし剣道はこれまで、ありがとうございました」。