盲導犬の食事は ドッグフードだけ 「さあモネ、マンションについたよ。ドアー、ゴー」。モネは、スムーズにエレベーターまで私を誘導しました。「モネ、グッド」。五階のボタンを探していると、隣り合わせたご婦人が突然、「あら盲導犬ってお掃除もするのね」。モネがお掃除?そんなはずはないんだけと、ひょっとして私がモネの口に手をやると、何んとモネはお菓子のビニール袋をくわえてすましています。「モネ、君はお掃除犬じゃありません、アウト」。 (一) ドッグフード--ドライフード二百グラムを、一日二回与えます フード以外の食 品は、むしろ病気の原因となります。 (二) 水--随時与えます。欲しくない時は、ソッポを向いて飲みません。 夏に水でうすめた牛乳を、与える使用者もあります。盲導犬は喜んで飲みますが、水だけで充分です。牛乳を与える時には、水を加えて脂肪分を下げないと下痢をすることがあります。 「おまえも暑かろう、まあ一杯」とばかりに、ビールを飲ませるのは絶対にいけません。牛の出産後、下がった体温を上げる目的で与えることがあるそうです。しかしながら、犬には絶対にアルコールを与えてはいけません。 (三) ミルキーボーン--牛骨の代わりにかじらせます。歯の掃除にもなります。前足で かかえて、ガリガリ食べる姿はとても可愛いものです。 恵子さんは、「モネ 御免ね」と言いながら食事をしています。自分と同じ食物をあげたい気持ちは、わかり過ぎるほど分りますが、盲導犬の健康を考える時、絶対に慎むべきことなのです。