博士がんばって下さいね きょうは、盲導犬との体験歩行が出来るエンジョイウォーキングデーです。盲導犬訓練所は、全国で八ヶ所あります。その内のひとつが、ここ京都の亀岡市にある関西盲導犬協会です。訓練所を持たない兵庫県盲導犬協会は、関西盲導犬協会に訓練の委託をお願いしています。恵子さんと私は今年で二回目。年々参加者が増えている様です。午前の部だけでも八十名ほどに及びました。 私と体験歩行をしてくれる盲導犬は、生後二才のラブラドールレトリーバーで体重二十三キロの女の子、ラディーです。私はまずラディーの右側に立ち、首輪のひもに手首を通してから背中のハーネスを軽く握ります。これで準備OK。「ストレイト・ゴー(進め)」の呼びかけでラディーが歩き始めました。私は左膝を彼女にそわせようとしますが電車の連結器に乗っているようです。二人の歩幅が合わないのですね。合ってきました。快適です。止まります。横断歩道です。渡るかどうか聞いています。また止まります。ハーネスを引っぱっても動きません、安全です。階段があったのです。しばらく歩いているとグーンと右側に回り込みます。マンホールを迂回したのです。昨年の体験歩行で、盲導犬のハリーは水たまりを迂回しました。これには感動しました 盲導犬は素晴らしい。終了時刻がきたので私はしゃがみながらお礼を言おうとしたら顔じゅうをペロペロされました。おいしかったかな、ラディーありがとう。 この会場には、ガイドのロボットのコーナーもありました。山梨大学工学部の森教授は工学博士でもありまして、盲導犬の仕事をロボットにさせてみようと苦心されています。博士のガイドロボットは、劇画「子連れ狼」にでてくる乳母車を連想させますが、その動きは とてもスムーズです。乳母車の後ろについているバーを軽く前に押すと、ガイドロボットが前進します。後退も出来ます。そしてガイドマップデーターを入力したパソコンと音波探知機、さらにテレビカメラと連動してミリ単位の誤差で動くものです。音波探知機は障害物の有無を教えます。テレビカメラは道路の白線を探したり、接近する自動車を発見します。ベリーグッドなガイドロボットですが、総重量は一 00キロをこえるため階段の昇降ができません。これが一番の問題点です。 ちなみに値段は二百五十万円前後になるそうです。ロボット技術の開発は日本が最高で、森教授のガイドロボットは世界でもトップクラスです。博士がんばってくださいね。