盲導犬質問コーナーは、みんなの広場 1996(H8)/10/13

戸北区にある「しあわせの村」は、各種体育施設・リハビリ病院・宿泊施設、さらに福祉施設などを総合的に備えた地域です。阪神大震災直後には、王子競技場と並んで陸上自衛隊のヘリコプター基地として使用されました。自衛隊の皆さんの活躍ぶりを、私達は「自衛隊さん」と呼んで、感謝したものでした。

   震災の影響は、福祉施設や作業所にも及びました。それまでの寄付金や仕事の注文がなくなり、財政ピンチです。そこで、社会福祉協議会が呼びかけ、「福祉健康バザー展」の開催となりました。数多くのテントが設営され、うどん・たこやき・手作りの品々などが販売されています。その中に、兵庫県盲導犬協会も参加。職員の吉川弓子さんを中心に、サポーターの皆さんが大活躍です。市原さんは、愛犬のサクラと御一緒。新神戸ライオネスクラブの山本さんと岡崎さんのコンビは、あっと言う間に盲導犬グッズを完売。感心していると吉川さんのお声です。「島田さんの前に「盲導犬質問コーナー」の札を置きました。」「そうです。私は、盲導犬のアピールに来たのです。モネもがんばろうね。」

   「仮設住宅で捨て犬を飼っていますが、公営住宅に移る時には連れていけません。」

犬好きの御婦人からの相談でした。鷲尾副会長が、獣医師の関係で震災直後に動物救援センターの本部長をされていましたから、「協会では、捨て犬のお世話は出来ませんが…。どうにもならない時はお電話下さい。お役に立てるかもしれません。」

   「目の見えない人は、盲導犬で幸せかもしれないけど、何だか犬がかわいそう。」テントの中に青年を招き入れ、モネも加えてディスカッション。「なるほど盲導犬は、グッドでハッピーなんだ、よくわかりました。モネ、バイバイ。」

「1才になるラブラドールが、新築の家の柱をガリガリ。困っています。」

岡崎さんが、アドバイス。「ラブラドールは、盲導犬にもなれる優秀な犬種です。成犬になったらグッドになりますよ。」「お嫁さんが連れてきたものだから、叱ることもできず困っていました。でもグッドと褒めて頑張ってみましょう。」

「島田さんですね。こうのとりグループの友成です。」「いつもテープ雑誌を聞いていますよ。掲載されていた点字メニュー設置店、いつでも行けるようにメモを持ち歩いています。」ポケットから取り出したプリンター用紙は、どういう理由か真っ白け。コンピュータの調子が悪いのか、私の調子が悪いのか。テーブルの下からモネの顔。「しっかりしてよ。」と言わんばかりです。いやはや、盲導犬質問コーナーは、みんなの広場になりました。

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