トラブル発生 モネ 足の裏を 火傷する

「モネ、こんな暑い日に、歩いている犬はきっとモネだけだぞ」。どうしても行く所が出来まして、モネと私はフラフラしながら歩きました。時々、モネの口に指を入れて、体温の上昇具合をみます。ハーハーも激しくなりました。

真夏に、鉄板の上を歩かせると、熱さのあまりピョンピョン跳ねるそうです。モネは、何んとか跳ねずに目的地に到着、ところが二日ほどして、モネが足の裏をさかんになめます。出会う人ごとに見てもらいますと、黄色く変色しているそうです。どうやら火傷をおこしたようです。動物病院では軽症なため薬もでませんでした。まずはひと安心です。

年の夏は、最高温度こそは去年を下回りますが、平均温度では去年を 0・五度ほど上回る勢いで、観測史上最高に暑い夏だそうです。中部盲導犬協会のある名古屋も、連日最高温度が三十六度を越えるため、昼間は盲導犬の使用をひかえています。しかし、学生さんがどうしても昼間に使用せざるをえない時、盲導犬は、ピョンピョン跳ねながら日陰を探して歩くため、来年の夏までに、ドッグシューズを開発するそうです。

カナダのイヌゾリ犬は、氷で足の裏を切らないように、革製のドッグブーツを履いています。また阪神大震災直後、スイスからやって来た救助犬も、革製のドッグシューズを履いていました。震災復興地域を、歩かなくてはならない兵庫県下の盲導犬にとって、工事現場の鉄板道やガラス道、そして夏の暑さから足の裏を守るドッグシューズが、ぜひとも必要です。

りあえず、ベビー用ソックスを履かせました。道行く人々は、「あれー 盲導犬が靴下をはいてるー」。モネは、なれない物を履かされるやら、靴下はずれるやらで、ヨタヨタしながら「モネ殿中でござるー」。

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