ベトナム・ハノイを歩く 2012.2.28-3.3

 ベトナムといえば何を思い浮かべるか?ですが、私にとって父と交わした思い出とベトナム戦争です。

 私の青春時代後期に起こったベトナム戦争は鮮烈な記憶として残っています。高度成長時代に平和な日本が繁栄を続ける中で、同じアジアの中で一角で悲惨な戦闘が繰り広げられていたことが、その当時でも信じられないことでした。

 同じ戦争といっても父の場合は太平洋戦争です。召集を受けた父が駐留していたのがベトナム・ハノイでした。
その後、戦況が悪化しやがて起こりくる本土決戦要員として日本に呼び戻されるのですが、父の所属部隊は後に南方に転戦中米軍の潜水艦の魚雷一発で撃沈されたと聞いています。

 父と戦争の話をすることはそう多くありませんでしたが、ハノイについては何度か話題になったことがあります。ハノイには恐らく特別な思いがあったのではないかと想像しています。
 その父が晩年、体の自由がままならないまま言い続けていたことは「死ぬまでにもう一度ハノイに行ってみたい・・・」というつぶやきでした。
 一昨年ご縁をいただきカンボジアに行ったのですが、この地も父の記録の中にある国でした。カンボジアへの道もハノイから歩みを進めたようですが、私も一度はハノイを訪ねたいと望んでいました。
 
 引っ越しを終えて新居で迎える初めてのお正月・・・ずっしりと重い広告をはさんだ元旦の新聞ですが、大手の旅行会社の広告が全面に掲載されていました。
円高とはいえ恐ろしく安い価格に感心しながら、少し前の時代と比べ隔世の感のある海外旅行の現状を観ていました。
 
 新築引っ越しと慌ただしかった昨年はとても旅に出る気持ちにはなりませんでした。例年は年に2度ほど海外に行くのですがこの年はひっそりと特別な年でした。

このところ海外旅行といえば。ツアー旅を利用することが多くなりました。
黙ってついていくだけでも旅が完成することは、この年代に達するとありがたい買い物です。ただ、今年の年明けえ時点では時間的余裕など全く予定が見えずただ広告だけを感心しながら見ていたものです。

 今年はオリンピックの年です。2月に入って7月のロンドンオリンピックの話題がテレビでも頻繁に流されるようになりました。オリンピックの年はうるう年です。
2月29日は4年に一度しかありませんが、この日が私の結婚記念日になります。数えるとたった9回目ですが、通算するとそれでも36年になります。
 せっかくの記念日だから何かしようではないかと思いたった結果が、父の思い出の地ハノイへの旅でした。
前置きが長くなりました・・・というわけで私が感じたハノイをご紹介したいとおもいます・・・

 

ベトナムは初めて訪れる国です。

思い立ったのは良いのですが、この時にはすでに元旦の広告から料金も見直され、飛び切り安いとは言えなくなっていました。

お世話になった旅行会社は、かの有名なH.I.S・・・
すべてネットで手続きをしたこともあって、人と会ったのはハノイ(NOIBAI)空港で現地人ガイドが最初で最後でした。

安さの秘密は実に合理的な運営がなされているということです。
現地のツアーでも、日程の違う客どうしが合流しまた別れたりで・・日本からすべて一緒に行動するう常識とはかけ離れたやりかたです。
小さな会社ではとても太刀打ちできないでしょう・・

この時期は大学生の卒業シーズンで、結構たくさんの大学生と話す機会がありました。
これがこれまでの旅と全く異なることで、ある意味新鮮でもあり我が世代を改めて振り返る機会にもまりました。

バイクであふれかえるハノイの活気は、同じ喧騒の中の都市といってもこれまた極端に香りのちがうものでした。
 

神戸空港と関西国際空港は、海路でつながっています。
高速船で30分ばかりで関空に着くので神戸在住の私には便利な便です。
この神戸-関空ベイ・シャトルは、2006年から神戸空港の海上アクセスターミナルと関西国際空港のポートターミナル間を29分で結んでいるのですが、赤字で先日会社更生法を申請し事実上倒産しました。
神戸市などが出資する第三セクターの海上アクセス株式会社が運営しているのですが、経営的にはお話にならないくらい厳しい状況が続いていました。
現在は、運行部門を加藤汽船が担当していますが、この先どうなるのでしょうか・・・・
 
 
ベイ・シャトル船内・・・朝のこの時刻の乗客は2割程度ですからこれでは倒産は当然かもしれません  
船を下りたら国際線ターミナルまではバス移動です
神戸から高速バスを利用するととても30分ではたどり着けません
 

 
ベトナム航空、関空発ハノイ行VN331便はJALとの共同運航です。出発は2月28日10時30分です。
機材はエアバスA321-200で、200席足らずの比較的小さな機体です。安いツアーですから当然ながらYクラスです
 
上が、 ベトナム航空、ハノイ-大阪便、機内食「和食昼食」です。
ガーリックチキンと、ご覧通りのメニューですが、日本で調理した美味しい機内食です。 
 
↓ これが「ウエスタンスタイル」の洋食ですが、どういうわけかメインがかつ丼です。
どこがウエスタンなのかわかりませんが、味は少し甘い感じですが、これまた美味しいのです・・・ 
 

関空からハノイ(NOIBAI)空港まではおよそ5時間半近くで到着します。今回の乗機率は9割少しくらいでしょうか・・・
行きは3人掛けシートを二人で利用できたので比較的ゆったり感のある機内でした。
  
 

ハノイ国際空港では、地上に降りてターミナルまではバス移動です 

空港で初めてHISのツアーグループに出会いました。現地集合現地解散の旅のようで結構面白く感じました。
 

旅行申込みからすべてをインターネットで処理するシステムですから、人と顔を合わすことがありません。  一昔前なら考えられないことですが、これがコスト軽減の基本形となっているようです。
日本では関係者とは全く接触がありませんが、海外の空港で初めて添乗員が迎えに来るわけで、もし何かアクシデントが起こって迎えが来ないとなると旅人はきっとパニックになるでしょう。

 

ハノイ空港の荷物は面白いルートで乗客の目の前に現れます。
乗客が取り囲んでいるコンベアはただ回っているだけ・・、そこに地上からどんどん荷物があがって周回のベルトコンベアに飛び込むシステムです。 

ベトナム航空に乗ったのは初めてです。利用者の評判はすこぶる良いので安心でした。 最近ド派手な機体が多いのですが、落ち着き払った機体の色合いは気品を感じます。
 

ベトナムの通貨は桁違いで、慣れるまで戸惑います。1ドルが20000ベトナムドンですから、水一本がこの価格・・・
この日の夕食は1360000ドン・・何を食べたのかと考え込むほどです。 
 
ベトナムビールは結構種類があります。ハノイビールやサイゴンビールなど・・みんな美味しいです。
 

お世話になったマイクロバスは、韓国現代自動車製です 

英語表記がほとんどありません、フランスによって作られたベトナムの文字から植民地時代のヨーロッパの強権政治がうかがえます 
 
     

市内で売られている観光用絵はがきですが、思わずを一枚買ってしまいました。中国ではバイクにドラム缶4個を積んだ光景も見かけましたが、アジアの国々はたくましい限りです。
 
ハノイのバイク事情は日本のテレビの格好の話題でよく取り上げられています。ハノイだけでも400万台のバイクが走り、3人乗りなんて当たり前です。
大人二人子ども一人までは合法だそうですが、 これ以上はアウト!!
何より難しいのはこの道路を渡ることです。日本の感覚ではとても決断がつきません。
市内で売られている絵葉書では、荷台に足を縛られた大きな豚に運転席の前に大人が座って走っている写真が人気となっています。 
 
 フランス大使館近くのATMです・・・ここで現金を引き出してもベトナムドンは外貨に換えることができずあまり意味がありません  ハノイの歩道は商売の道です。歩道上で、彫刻刀1本に身を託すスタンプ屋さんが仕事をしていました  
 
昼ごはんに立ち寄ったレストランです もちろんベトナム料理
 
見上げると歩道の上に、ウグイスや小鳥のかごがつるされています
 

ベトナムの偉大な指導者、ホ−チミンの亡骸を祀る廟 

ホーチミン廟を護る衛兵の交代行進です
 
 
フランスから資材を運んだというハノイ大教会(カトリック教会)
1049年に造られた、ベトナムを代表する古刹一柱堂  
 
これから別のホテルに移動します
 夕方のバスターミナルは、人であふれています  
 ハノイから10km離れたバチャン陶器村の工場  ベトナム人は・雷魚を好んで食べます  
 
水上人形劇の楽団
 
生演奏に合わせた水上人形劇のフィナーレ
 

ベトナム戦争の枯れ葉剤による障害をうけた子どもたちの作業場 

懐かしい骨董品ともいえる時計がずらり
 

ハロン湾のナイトマーケット 
 陶器村の売店  
 
ハロン湾クルーズの船
 ハロン湾は船であふれています  
勇壮な景観を作り出すハロン湾の奇岩 
鶏が口づけをしているような闘鶏岩 
 

観光船から生け簀の船に乗り移り気に入った魚介類を買うと、船に戻りその場で調理してくれます 
 
搭乗券とパスポート
 
 
小学校の下校風景は子どもたちの歓声に包まれます
 
ナンバープレートの数字はハノイの地区を表しているそうです
 
 
ホアンキエム湖にある報恩門
 
ベトナム初代の王様、リータイトーの像
 
 
街角でみかけたCDショップ
 
公衆電話
 
 
クルーズ船のエビ料理
 
クルーズ船の内部・・実際は相当古い木造船です
 

クルーズ船は物売りの場所でもあります
 
100円ショップの時計が今回役にたちました
 
 
ハロン湾の鍾乳洞

ハノイの街の電線は、カラスの巣よりすさまじい! 
 
 
ベトナム外務省は情報収集のアンテナが屋上に!

街角のドライフルーツショップ 
 
 
天秤棒の女性があらゆるものを売っています

路上ははみだしショップが占拠しています 
 
 
生姜も多くの種類があります
 
早朝関空に着きました
 
3月3日桃の節句に無事日本に帰ってきました。
私のハノイの感想は、例外なくアジアの国であり、喧騒の中の大都市、ホコリっぽい国、外国人に媚を売らない民族性、どりらかというと日本人に近い雰囲気を感じる町でした。
これからの経済発展が望まれると思いますが、何と言っても社会主義国家であることが不思議な感じですが、次回は必ずホーチミン市を訪ねてみたいと強く感じたものです。